NO.10 夏こそ受精卵移植!いかがですか?
 ジメジメした梅雨の時期が過ぎると、あっという間に猛暑の日々が押し寄せてきます。

 乳牛は、体感温度21℃で体温が上昇し始めて、24℃を上回ると生産性が低下します。さらに、25℃で呼吸数は増加して乾物摂取量の低下を招き、 27℃以上で人工授精受胎率が低下してしまいます。

 最近では暑熱対策の意識が高まり、大型ファンを導入しての換気整備、細霧装置、牛体の毛刈り等が普及しています。それでも、夏場には受胎率 が低下し、「なんとかしてくれよ。」という酪農家の悲鳴が聞こえてきます。

 そこで、夏こそお奨めなのが、凍結受精卵・体外受精卵移植です。人工授精でも受胎し難いのに何を言っているのだろう、と思われるかもしれません。 実は、そうではありません。夏こそ受精卵移植なのです。

 牛の快適温度は5〜16℃で、春と秋では受胎率が高く、夏と冬で低下する傾向あります。それというのは、人工授精では、授精後3日間は、受精卵が暑さ による体温上昇の影響を受けやすいために受胎率が低下してしまうからです。その点、受精卵移植では、暑さによりダメージを受けずに7日間まで発育した受精卵 を用いるために、暑熱による影響を受けにくいのです。

 母牛の空胎期間を延長させず、安定高価格の和牛の子牛生産をこの方法で試してみてはいかがでしょうか。1度経験すると、もしかしたら病みつきになる かもしれません。

 関心のある方は、ぜひ、NOSAI家畜診療所職員までお気軽にご相談してください。
(農業共済新聞千葉版 2006年7月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会