NO.13 「バルク乳の健康診断をうけてみませんか?」
 南部家畜診療所では1998年から、酪農組合の要請を受け南部家畜保健衛生所、安房農林振興センターと協力して、乳質改善に取り組んでいる。 管内の全酪農家を対象に、毎年夏冬2回の定期バルク乳検査を実施し、その結果に基づいて各農家に適した指導を行うというものだ。

 バルク乳検査とは、バルク乳中の細菌を検査室で培養し、どんな種類の細菌が多いかを調べること。それにより、農家ごとの搾乳方法やミルカーの洗浄方法などに問題はないか、また乳房炎が発生する原因もある程度推測することができる。具体的には、黄色ブドウ球菌や無乳性レンサ球菌、環境性ブドウ球菌、環境性レンサ球菌、大腸菌群、耐熱性菌、そして一般生菌とよばれる細菌の数を調 べる。例えば、黄色ブドウ球菌や無乳性レンサ球菌がみつかれば、それはその細菌が原因の乳房炎の牛がいるということで、早く見つけて対策をとらなければならない。 環境性の細菌や大腸菌群が多いときは搾乳方法に問題があると考えられる。耐熱性菌(63℃で30分加熱しても死なない細菌)が多く見つかるときはミルカーの洗浄が十分でないことが考えられる。

 このように、バルク乳の細菌検査をすることで各農家の搾乳に関する問題をある程度分析できる。中にはそのまま飲んでも全く問題なしと言えるほど、すべての種類の細菌数が少ない農家もあるが、やはりなかなか目標の数以下にならない項目もある。人間の健康診断の結果でお酒を控えるように、バルク乳検査の結果が搾乳方法を見直す物差しとなる。また、黄色ブドウ球菌などが見つかったら、ぜひ全部の牛の個体乳検査をお勧めしたい。

 館山市那古の酪農家・和泉沢宏義さん(59)は、昨年全頭個体乳検査を実施。その結果をもとに黄色ブドウ球菌対策を実施して乳質改善に役立てることができた。 「乳質がだんだん厳しくなるので、早めにこの検査を行っておいて良かった」と和泉沢さん。

 来年度から千葉県酪連の統一乳質基準が適用される。この機会にぜひ一度お試しください。

顕微鏡で見た乳中体細胞
(黒い部分)
(農業共済新聞千葉版 2006年10月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会