NO.14 乳熱の牛は積極的に立たせてみましょう
 お産が無事終わり、疲れきっている母牛にビタミン剤、カルシウム剤を飲ませホッと一息。ところが、給餌をしても見向きもせず、体は冷たく、耳も垂れ下がって元気がありません。お尻をたたいて立たそうとしても、口を開けて舌をだしてばかりで一向に起立しようとしません。皆さんも時々経験される乳熱 (産後起立不能症、低カルシウム血症)です。

 こうなると、獣医を頼むしかありません。獣医はカルシウム剤、リン剤などの補液をします。その後、600`以上の体重を支える肢を痛めず起立できるように土のある屋外へ出すか、古畳などを敷いて踏ん張れるようにして起立を待ちます。

 場合によっては、滑走防止ベルトの装着も必要です。1〜2回の治療で立てればいいのですが、老齢やオーバーコンディションの場合、寝返りはできても立てないことが間々あります。そして、筋肉の損傷や脱臼などにより、淘汰の対象になってしまうことも多々あります。

 こうなる前に、積極的に牛を立たせてみてください。方法はいろいろありますが、診療所ではカウリフトを利用しています。トラクターやチェーンブロック などを利用すると、かなりスムーズに立たせることができます。診療時だけではなく、1日に2〜3回はやってください。母牛はいったん起立してしまうと、次から結構自力で起つようになります。分娩したばかりの大切な牛が、淘汰されるか戦力になるか大きな分かれ目です。

 ほかの方法として、幅の広いロープを利用するのもいいと思います。胸の下に1本入れて少し持ち上げた後、もう1本を乳房の前に入れ2本で牛を持ち上げます。 とにかく、獣医の治療と平行してできるだけ早く始めてください。

 酪農を取り巻く環境は、決して安閑としていられない状況です。そのためには、計画通り搾乳できるよう、産後のケアが大切です。

カウリフト
(農業共済新聞千葉版 2006年11月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会