NO.16 ゴムマット活用して蹄の負担を減らそう
 フリーストールやフリーバーン牛舎に飼われている牛は、何をするにも歩くことから始まります。搾乳はもとより、餌を食べに行くのも、水を飲みに行くのも、ベッドに休憩に行くのも。こういった「歩く」ことが中心となっている飼養形態の場合、運動器に障害があったとしたら、生産性は著しく低下してしまいます。ちょっと した問題が、その牛の命運を左右すると言っても過言ではありません。

 そんな理由からフリーストールやフリーバーン牛舎では「ふっとケア」に力を入れます。定期的な削締やフットバスといった蹄病対策、飼料、ベッド構造などなど。
 ところで、牛が歩く地面、つまり通路はどういった様子でしょうか。目地を切ったコンクリートが摩擦してデコボコになり、人間で言うところの「足裏マッサージ」 状態ならば、ちょっと危険信号です。

 もちろん牛に足裏マッサージは効果がありません。むしろ蹄の健康を邪魔して角質疾患の原因となります。そんな通路では牛も足が痛いのです。蹄は硬いから大丈夫 だろうと思っても、やっぱり痛そうに歩きますし、歩きたくないから餌を食べに行く回数も減ってしまって、やせてしまいます。また、削締師が負重バランスを考えて蹄を平らに切っても、デコボコの通路の上では蹄底がデコボコしているのと同じことです。 そんなことから、蹄の健康を維持するには、通路の形や硬さも大切な一要素ということになります。また、フンだらけの通路で、いくら軟らかくて気持ちいいだろう と思っても、とても汚れた蹄をしていてはかわいそうですし、感染症の締病の原因となってしまいます。

 対策の一つとして、最近、通路や待機場にゴムマットを敷く畜主さんが増えています。ゴムマットの上では、牛はラクそうです。蹄の角質疾患の割合も減るようです。 足が痛くなければ牛はストレスなく歩きますし、餌もたくさん食べるでしょう。ゴムマットを導入するには決して安くないコストがかかりますが、それに見合った、いや、それ以上の価値があると思います。牛舎全体となると大変ですが、ミルキングパーラーや待機場、 乾乳舎などを優先的に施工しても効果は期待できます。

 蹄にやさしい通路を考えることで牛の健康を守り生産性の向上を図ることができると思います。

蹄の健康を維持する対策
の一つとして、通路にゴム
マットを敷いた畜舎

(農業共済新聞千葉版 2007年2月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会