NO.17 乳房炎を発症させないために
 ミルカー内での乳汁逆流現象は、通常の搾乳時でも常時起こっています。ですから、乳頭の先端をきれいにして搾乳する必要があります。

 酪農家の皆さん、良質な牛乳の生産に向けて毎日ご苦労されてると思います。現在、特に体細胞数低減が重要な課題です。これに向け、体細胞の多い牛を淘汰し、体細胞の多い分房の牛乳を廃棄しどうにか維持したり、乳房炎を早期発見し治療するなどの対応や、新規の乳房炎を起こさないために多く の工夫をされています。

 新規乳房炎を減らすために、@搾乳前に乳頭をきれいに清拭 A過搾乳をしない(これには搾乳前の十分な乳頭のマッサージ、 マッサージしてから1分程度でミルカーを装着する、ミルカーをかけすぎないことが重要) Bミルカー離脱着後に確実なディッピング −などが挙げられます。

 今回はこの中でも@の乳頭、特に「乳頭の先端」をきれいにしてから搾乳することの重要性をお話します。現場で、片手できれいに 清拭するのは難しく、つい手を抜きがちですが、新規乳房炎を防ぐために重要です。

 図に畜産草地研究所の研究成果(2002年)の一部を模式図化しました。図のように搾乳中は、ライナースリップなどしていなくても、 ライナーの中でミルクの逆噴射が常時起こっています。特に搾乳の後半で牛乳の少なくなった分房では、乳頭内へもミルクが吸引されて いる可能性が高くなります。(このことからも過搾乳は要注意)。乳頭が汚れていると、逆流のときに汚れや細菌も乳頭内に送り込んでしまいます。

 毎回の搾乳でこのようなことが起こっていれば、細菌と闘っている乳房も苦戦します。何かことが起こり、この闘いに負けてしまえば 「乳房炎発症」になってしまいます。搾乳作業は大変ですが、新規乳房炎を起こさないためぜひとも乳頭先端をきれいにしてから搾乳をしましょう。

(農業共済新聞千葉版 2007年3月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会