NO.19 大切な牛を乳房炎で失わないためにA  腸内細菌による乳房炎の対処法
 今回は万が一、腸内細菌(大腸菌やクレブシエラ)による乳房炎になったときのお願いを含めた対処法の話をします。

 これから梅雨を迎え、気温、湿度がともに高くなると発症数が増えてくるのが、腸内細菌による急性乳房炎です。まず、乳房炎の 症状を発見するのは酪農家のみなさんです。

 水っぽい乳汁、食欲の廃絶、体が冷たい、目が落ちくぼむ、ふんがゆるむといった症状があれば腸内細菌による乳房炎を疑ってください。 そして、いち早く診療依頼をお願いします。重症であると診療前に起立不能となることもあります。異常を見つけたら、舎外に牛を出しておくことも起立不能などの被害拡大を防ぐ有効な手段です。

 診療時には、獣医師も腸内細菌性の乳房炎か、それ以外のものかを見極めて治療します。抗生物質を投与すると、乳房炎の腸内細菌は一気に死滅します。ここで問題となるのは、腸内細菌が死ぬときに放出する毒素(エンドトキシン)です。毒素が大量に体内に放出されると、 ショックで起立不能や死につながります。 このショックを少なくするため、治療の直前もしくは同時に搾乳することをお願いすることがあります。これは乳房内の腸内細菌を可能な 限り体外に出して、体内に放出される毒素の量を減らすためです。

 通常搾乳時間外の搾乳は大変面倒な仕事ですが、これにより大切な牛を失う確率が必ず減ります。診療時に搾乳をお願いしたときにはご理解とご協力をお願いします。
(農業共済新聞千葉版 2007年5月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会