NO30 子牛の下痢を防ぐ  ワクチンを利用して元気に育てよう
 下痢症は肺炎と並び発生率の高い子牛疾病です。原因はさまざまで、細菌、ウイルス、寄生虫による感染、不適切な哺乳管理、悪い環境など多岐にわたります。

 ところで、「うちは生後1週間くらいの子牛で下痢が多いなぁ」と感じることはないですか?この時期の下痢症の多くは細菌やウイルスによるものです。

 夏に向けて湿度が上がり細菌が繁殖しやすい季節になり、それに伴い細菌による下痢の発生も多くなります。大腸菌が原因の場合は重症となることが多く、刺激臭のする白〜黄色の水下痢になり、数時間のうちに急激に症状が悪くなるので早急な治療が必要 です。

 子牛の哺乳期の下痢は死に至らずとも長引いたり重症化すると治療費がかかり、ゆくゆくは発育遅延や飼料効率低下を起こし、大きな経済的損失になります。後継牛としても肥育子牛として売るにしても、何とかロスを少なくし元気な子牛を育てたいものです 。

 そこでお勧めしたいのが、子牛下痢予防ワクチンです。
 これは母牛に接種するワクチンで、分娩前の母牛に1〜2回接種し、初乳中の下痢に対する免疫力を上昇させるというもの。子牛はこの初乳を飲むことで小腸粘膜に抗体の膜を作り、病原菌の付着・増殖 を防止します。したがって、ワクチン接種した母牛の初乳を確実に飲ませる必要があります。

 実際にこのワクチンを使い始めた酪農家さんからは「下痢が少なくなった」「下痢で子牛が死ななくなった」「下痢になって も手持ちの薬ですぐ治るようになった」という話を聞きます。

 元気な子牛を育てるためには「衛生的な器具・ミルクの使用」や「環境の整備」によって病原体を侵入させないことはもちろ んですが、「適切なミルク給与による丈夫な体作り」や「ワクチン」によって免疫力をアップさせ病原体が侵入しても発病しないようにすることも重要です。

 夏場のお産に向けて、子牛下痢予防ワクチンの接種を検討されてみてはいかがでしょうか?
(農業共済新聞千葉版 2008年6月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会