NO39 子牛の下痢について考える  目配り、気配りが最大の予防
 コクシジウムで子牛が血便となり苦労をした畜主さんは多いと思います。

 今まで多く使用されていたサルファ剤は、コクシジウムが発育する過程の限られた時期にしか効果がなく、再感染や再発症もよくありました。しかし、最近、牛体内コクシジウムのすべての発育段階で効果があり、しかも長期間(約1カ月)効果が持続する薬剤(トルトラズリル)が市販されました。

 一般的にコクシジウムは生後3週齢〜5週齢に発症のピークがあるので、生後10日齢でこの薬を1回投与するとコクシジウム病を予防できます。また、このプログラムを続けることで子牛飼養環境のコクシジウム数をかなり減らすことができます。

 コクシジウムより大きな寄生虫である消化管内センチュウも、子牛の下痢や発育不良の重要な原因の一つで、特に、餌の消化吸収に大きく影響します。生後4週齢〜6カ月齢が好発時期です。イベルメクチン製剤を背部皮膚へ塗布することでほとんどのセンチュウの駆虫が可能で、その効果は3週間程度持続します。この薬は、ハッチなどの個別管理からパドックなどの集団管理への移行直前に使用すると良いでしょう。

 しかし、これらの薬剤を使用しても、一つの牛群から寄生虫をゼロにすることは大変難しいでしょう。また、下痢の原因はさまざまであるため、換気不良、ぬれた敷料、短いひもでつないでおくなどの行動の制約、不潔なミルクなどの状態があれば容易に下痢をおこします。

 子牛は体内外のさまざまな敵(ひょっとして人間が最大の強敵か?)と静かに、でも激しく闘っています。畜主の目配り、気配りが最強の見方です。というわけで、快適な環境の中で、これらの薬剤を上手に使用して子牛を健康に育て上げ明日の経営の礎にしてください。
 
 そして、これらの薬や抗生物質を使わなくても良い理想の管理を目指してください。
(農業共済新聞千葉版 2009年4月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会