NO.41 お産のとき手を入れてみませんか  異常産・難産をいち早く察知しよう
 昨秋、涼しくなってやっと受胎し、今年の夏に分娩を控えている牛がたくさんいませんか?乳量をたくさん搾り、大切な子牛を育てるためにも、まずお産を無事に乗り切らなくてはいけませんね。
 そこで、牛のお産が始まったら、産道に手を入れて胎児の様子を確認する習慣をつけてみませんか?「手なんて入れて難産になったらどうしよう」「手を入れても俺には分からないよ」と声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。今まで手を入れたことのない人は、とりあえず手を入れてみましょう。
 まずは母牛の尾を胴体に縛り、バケツ1杯のぬるま湯を用意して消毒液を入れます。母牛の陰部と自分の手をしっかり洗うのが大切です。汚れが残っていると子宮を汚してしまい、産褥熱の原因を作ってしまうし、次の受胎成績に響くこともあります。
 ではゆっくりと手を入れていきましょう。ひじくらいまではすぐに入りますね。手を入れたときには何が触りますか?まずは肢、特に蹄が2本触れますか?あれば正常です。触れた肢にそって手を進めていくと、頭か尾に触れるはずです。頭であれば歯が触りますから分かりやすく、尾もゆっくりと形をなぞれば、すぐに分かると思います。
 ここで異常の場合を書きます。肢が1本しかない、または頭か尾がいきなり触れてしまった場合は異常です。肢を曲げた状態では骨盤に引っかかり出てこられません。すぐに診療所に電話してください。また「肢が2本見えているから」とすぐに引っ張り始めるのも危険です。胎児の姿勢を確認しないまま引っ張り難産になるケースが年にいくつか見られますので、手を入れて頭か尾を確認する習慣をつけるようにしましょう。
 無事に生まれてひと安心といきたいところですが、最後にもうひと手間お願いします。母牛の中にもう一頭入ってはいませんか?もう一度手を洗って中を確認してみましょう。
 ここに書いたこと以外にも注意点はたくさんありますので、手を入れてみようと思った方は担当の獣医師に気軽に相談してみてください。悲しい事故をひとつでも減らし、今年も元気に夏を乗り切りましょう!
(農業共済新聞千葉版 2009年6月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会