NO.43 乾乳期の乳房炎を防ぐ    分娩前のチェックをお勧め
 乾乳期は、300日余り休まず働いてきた乳腺を休ませ、次の泌乳に向けて準備をする重要な時期です。乾乳中期には乳頭管にケラチンによる栓が形成され細菌の侵入を防いでいます。ところが、乾乳開始後2〜3週間と分娩前2週間は乳房炎の新規感染率が非常に高く、泌乳期の数倍〜十数倍高いといわれています。
 乾乳期用軟膏は、乾乳開始後から乾乳前期の感染を防ぐ効果が期待できます。しかし、分娩2週間前には効果のない状態の牛も多く、乳が張るため漏乳が問題となります。分娩前に乳を漏らす牛の対策としてディッピングを行う、あるいは乳頭にシール剤で被覆する方法がありますが、分娩前に搾乳する方法もあります。
 分娩前に搾乳することで乳房内圧が減少、乳房浮腫の緩和、乳頭内からの細菌排出が促され、またディッピングなどの搾乳作業により乳頭表皮が殺菌され新規感染率が減少するといわれています。この場合、搾り始めの3日間は初乳として保存し、もちろん出荷は、分娩後検査をしてから行います。
 ちばNOSAI連南部家畜診療所では、管内酪農家に分娩後の臨床型乳房炎を減らすために分娩前の乳房炎のチェックを勧めています。
 その方法は、@分娩予定日が近づいて乳房が張ってきたら、搾ってみましょうA乳が出ないようなら、それ以上無理に搾る必要はありませんB乳が出るようならPLテスター(※)板にとり、観察しましょうCアメ状ならまず大丈夫(乳頭をふさいでいる栓はすぐ再生します)D初乳のような場合や水っぽい乳の場合は、PLテスターで検査してみましょう(乳房炎のチェックをしたら、必ずディッピングを始めましょう)E乳房炎の反応が出たら、獣医師に相談してください−−というものです。
 特に、前乳期に慢性乳房炎だった牛は、次の乳期が始まる前に治療を開始した方が治る確率が高くなるようです。無事にお産を終えて、さあこれからという時につまずかないためにもこれらを参考にしていただけると幸いです。
 ※PLテスター=乳房炎の簡易検査薬

PLテスター板と
PLテスター
(農業共済新聞千葉版 2009年8月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会