NO.48 牛が気持ちいい顔をしている状態で搾乳をしましょう
 搾乳のとき、みなさんの牛はどんな顔をしていますか?
 怒鳴られてビクビクしていたり、もう牛乳の出ていない乳房にいつまでも ミルカーが着いていて痛くてイライラしていませんか?
 このようなときには交感神経が働いています。興奮、恐怖、怒りなどのときに 働く「ドキドキ神経」です。例えば、牛に対して、叩く、怒鳴るなど恐怖を与える行動や、搾乳中の真空圧の変動や過搾乳といったスト レスがあると、それらに反応して交感神経が働きます。
 交感神経は心臓の拍動を増加させ、毛細血管を収縮させて血圧を上昇させます。 この交感神経と対をなすのが副交感神経です。
 消化、睡眠、休息といった、リラックスしている状態で働く「やすらぎ神経」です。 ごはんを食べた後に眠くなるのは、胃腸を動かそうと副交感神経が働き、リラックスしようとしているからです。交感神経と副交感 神経はどちらか一方しか優位になりません。そして搾乳中は副交感神経が優位に働く、つまりリラックスしている必要があります。
 乳頭の洗浄を丁寧に行うと、脳にある下垂体からオキシトシンが放出され血液にのって乳房へたどり着き、乳腺細胞の周りを収縮させ て乳汁を排出させます。ところが牛に不快なことがあると、ドキドキ神経が働きオキシトシンが下垂体から放出される量自体も減り、 さらに血管が収縮し乳房への血流が減少しオキシトシンは乳房まで届きません。
 衛生的で静かな環境で、正しい手順にのっとった搾乳 を行うことで、牛もリラックスして能力を最大限に発揮したおいしい牛乳を出してくれるのです。牛がのんびりと反芻して、気持ちいい顔をしているような状態で搾乳をしましょう。
(農業共済新聞千葉版 2010年3月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会