NO.5  難産の牽引には「滑車」を利用
 牛相手の仕事では力が必要なことがよくあります。

 難産や起立不能牛を移動させるときなどは、その典型です。
 以前でしたら近所の酪農家に手伝いを頼んで私は号令をかけるだけ、 なんてこともありましたが、酪農家戸数の減少や高齢化のため、近所の手伝いはおろか、畜主、獣医師本人(?)もあてにならないことが 多くなりました。

 難産には専用の牽引器が販売されていますが、私が愛用しているのは滑車です。
 動滑車が4つ付いているので、力が8分の 1になります。ただ、使う時はひっぱる向きに注意です。牛が寝返りしてしまうと滑車の固定先をやり直しです。もっと注意したいのは、 滑車を引く長さです。力が8分の1なので移動距離は8倍必要ですから、滑車を十分伸ばしてその長さを使い切るつもりでやらないと、逆子 の時は頭が出ないうちに引きしろがなくなってしまいます。

 以前は牛が寝た状態での腹圧を利用するために、30分でも1時間でも牛が寝る まで待っていましたが、今は母牛が立ったままでもOKです。もちろん産道の開き具合のチェックは必要ですし、産科チェーンによる子牛の骨折 にも要注意ですが、同診療所管内の酪農家には少しずつ普及しています。

 皆さんも一家に一台備えてみませんか?
(農業共済新聞千葉版 2006年2月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会