NO.57 乳頭口に注意してみよう
 乳房炎は今も昔も、これかあらも酪農家にとってつきまとう天敵といえます。
 牛乳は乳腺胞で作られ、乳頭管を通って乳頭口から出ます。ここで注目したいのは、乳頭口が細菌の唯一 といって いい感染経路だということです。今回は乳頭に焦点を当てて、乳房炎の感染予防について考えて みたいと思います。
 乳頭には細菌の感染を防ぐための、さまざまなバリアがあります。まず、乳頭口を取り 囲んでいる乳頭括約筋がキュッと閉じることで、細菌の進入を防いでいます。次いで、乳頭管を内張りしてい るワックスのようなケラチン層がバリアになっています。このように細菌が乳頭口から進入し、乳腺胞へたどり 着き、乳房炎を発症するまでには多くのバリアを突破していることになります。
 正常な乳頭口の形状はきっ ちり閉まっていますが、乳頭口が盛り上がっていたり、ひび割れて花びらのようになってしまったものを見かけま す。ひび割れた隙間には汚れや細菌が入りやすく、また拭きにくいので、乳房炎になりやすくなります。乳頭口をつるん、と清潔に保つことが一番ですが、一度ひび割れて荒れてしまった乳頭口は元に戻りません。
 そこで、荒れた乳頭口にプロクールというキトサンを配合したディッピング剤の活用をお勧めします。これは、薄ピンク色の液体で、乳頭に浸けて乾かすとシールのように被膜を作って、物理的に細菌の侵入を防いでくれます。
 永遠の課題である乳房炎を一つでも減らすために、乳頭に注目して乳頭口のチェックを是非行ってみてください。牛の年齢や季節のほかに、過搾乳も乳頭口の荒れを引き起こします。乳頭口の荒れに気づいたら、自動離脱装置やパルセ ーター、真空圧など今一度ミルカーを点検してみてはいかがでしょうか。
(農業共済新聞千葉版 2011年4月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会