NO.63 お産前に雌雄が分かる エコー判定基に更新計画を
 繁殖検診で、超音波画像診断装置(エコー)を使っている先生を見たことはありませんか?エコーを使うと、子宮や卵巣、胎子を白黒で画面上に写し出すことができ、早期妊娠診断、双子の診断、さらには胎子の雌雄判別をすることが可能になります。
 エコーによる胎子の雌雄判別は、胎齢60〜80日で行うことができます (65日前後がベスト)。胎子の生殖結節という部位をエコーで描出します。生殖結節は、後に生殖器(陰茎、陰核)となる部位で、エコーの画面では特徴的な光沢のある白い線で見ることができます。牛の胎子は、初めは雄も雌も生殖結節はへその緒と 尻尾の間にあり、区別はつきません。胎齢55〜60日になると、生殖結節が雄ならへその緒の近くに、雌なら尻尾の近くへと移動し、雄と雌の区別がつきます。
 また、胎齢が進み(80日以降)胎子が大きくなりすぎると、胎子は母牛のお腹の奥へ落ち込んでしまい、直腸検査によるエコーでは手が届かず判別できなくなってしまいます。
 胎子の雌雄判別のメリットは何でしょうか。例えば、受胎牛の多くがホルスタインの雌を妊娠していると分かれば、十分に後継牛が確保できるので、今後安心して和牛を授精 できます。逆に、受胎牛の多くがホルスタインの雄ならば、後継牛を得るためにさらにホルスタインを授精するか、新規牛の導入を計画しなければなりません。このように、お産前に雌雄が分かっていれば、後継牛の頭数を把握でき、スムーズに更新計画を立てる ことができます。
 またエコーは、画面を通じて獣医師と畜主が情報を共有することができます。胎齢60日を過ぎると、胎子はも う牛の形をしていて、子宮の中を動き回っています。画面で元気よく動いている胎子が見えるとなかなか嬉しいものですよ。
 この技術は超音波診断料として、今年度より有料となりました。超音波画像検査、胎子の雌雄判別に興味がある方は、最寄りの家畜診療所までご連絡ください。
(農業共済新聞千葉版 2011年10月4号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会