NO.66 マイコプラズマ性乳房炎の予防
 牛舎内で咳をする牛をよくみかけます。冬は子牛を始め、成牛でも風邪を引くケースがあり、時に集団感染を起こします。 この風邪の中にはマイコプラズマという微生物が原因となることもあり、近年徐々に問題となってきています。今回はこのマイコプラズマによる乳房炎についてご紹介します。
 マイコプラズマ性乳房炎は、牛から牛へと伝染していく 乳房炎(伝染性乳房炎)の一つです。牛群内に一度侵入すると集団発生し、治療をしても治らず淘汰に至る牛が多いことから、経済的被害の大きい疾病です。北海道を中心に全国で散発的に発生が認められており、千葉県でも昨年発生が確認されました。今後も、発生や予防に注意する必要があります。
 マイコプラズマ性乳房炎の症状は、@乳房が突然腫れてむくみ、 乳汁中に多くの凝集物を認めるA一つの乳房から他の乳房へと乳房炎が拡がっていくB乳房炎軟膏で治療してもなかなか治らない C通常の乳汁細菌検査をしても原因菌が分離されない−といった特徴があります。
 さらに、一般的な乳房炎は原因菌が乳頭口から侵入して感染(上行性感染)しますが、マイコプラズマ性乳房炎はこの上行性感染だけでなく、肺炎や関節炎などの病巣にいるマイコプラズマが血液を介して乳房に感染(下行性感染)します。
 マイコプラズマ性乳房炎の防除には、この伝染性の特徴から 感染牛の摘発と隔離が特に重要です。感染牛は、乳汁の中にマイコプラズマの遺伝子があるかを調べる検査を行うことで、摘発することができます。もしマイコプラズマ性乳房炎の感染が確認された場合は、牛群内の全ての牛を検査して、感染牛を確実に隔離します。
 まずは、牛群内に侵入したマイコプラズマを発見することからこの乳房炎の対策は始まります。 原因菌が不明の難治性乳房炎や肺炎、関節炎を伴った乳房炎等、気になる牛がいましたらお気軽に家畜診療所までご相談下さい。
(農業共済新聞千葉版 2012年3月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会