NO.7 1本の磁石が牛の命を守る! 〜牛の創傷性(外傷性)第二胃炎〜
 牛の創傷性(外傷性)第二胃炎は、飲みこんだ異物が第二胃に刺さって起こる病気です。

 牛は餌をよく噛んで食べるイメージがありますが、それはいったん胃に入ったものを口にもどして噛み返し(反芻)しているところで、食べるとき はほとんど噛まずに飲みこんでいます。また暇で好奇心旺盛なので、牛舎のいろいろなところを舐めて、釘を拾って飲みこんだり、老朽化したストールの破 片や針金、竹ほうきの折れた枝など、様々な異物を飲みこんでしまいます。

 異物のほとんどは第二胃の底に沈みます。第二胃は粘膜面が蜂の巣状になっているため先のとがった異物が引っかかりやすく、さらに反芻時のポン プの役目となる強い収縮運動をするため、異物は粘膜壁に刺さりやすいのです。

 刺さった異物は横隔膜の運動や満腹になったときの第一胃の圧迫、妊娠末期の大きな子宮の圧迫、立ったり寝たりなどの運動時にさらに深く刺さり 、第二胃壁を突き破って近くの臓器を傷つけます。心臓に刺されば心膜炎に、横隔膜に刺されば横隔膜炎、肝臓であれば肝炎や肝膿瘍などになることもあります。

 原因のはっきりしない突然の食欲不振、発熱、泌乳量の減少、反芻の停止、首を伸ばして歯ぎしりをする、うめき声を出す、歩行を嫌うなどの症状が みられたら獣医師に連絡してください。

牛が柵のなかで自由に動けるフリーストールやバーンでは、異物の発見が難しく、パーネット(10aほどの強力な棒状磁石)を牛に飲み込ませて、 金属が第二胃粘膜に刺さるのを防ぎます。この磁石で牛の肩こりは治らないと思いますが、あなたの大事な牛の命を守ってくれます。
「カウサッカー」
(農業共済新聞千葉版 2006年4月2号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会