NO.74 牛白血病 定期的な全頭の抗体検査で感染把握
 牛白血病はリンパ系組織が何らかの原因で腫瘍化する病気で、近年全国的に発生が増えています。牛白血病のほとんどは牛白血病ウイルスの感染が原因で、感染牛の血液や乳汁を介して感染する伝染病ですが、人には感染せず、感染牛の牛乳や肉の品質、安全性には問題はありません。

 ウイルスが感染しても病気が発症するのはその内の1%未満と非常に少なく、潜伏期間も数か月から数年と長いため、気づかないうちに牛群に感染が広がる危険性のある病気です。
 2007年に全国約200の農場で行われた検査では、平均で28%の牛が感染していたという報告もあります。発症した牛は、末期には体表などのリンパ節の腫れ、食欲不振、突然の乳量低下、眼球の突出、下痢、便秘などの症状を示し、予後不良となります。

 牛白血病ウイルスの伝染経路には、胎盤や初乳によって母牛から子牛に感染する垂直感染と、牛群内の牛から牛へと感染する水平感染があります。水平感染の原因は、人為的なもの(血液のついた注射器、除角器、去勢用器具、耳標装着器、直腸検査用手袋などの連続使用)やアブやサシバエ等の吸血昆虫による媒介などがあると言われています。

 では、牛白血病の感染拡大を防ぐにはどのような対策を行えばよいのでしょうか?
 感染しているがどうかは、抗体検査で調べることができます。可能であれば、定期的に全頭の抗体検査を行って牛群内での感染状況を把握し、「感染牛を隔離する」「感染牛は後継牛をとらないで優先的に淘汰する」「子牛に飲ませる初乳はウイルス感染していない牛のものを用いる」といった対策が有効です。

 抗体検査がすぐにできない場合、現場で次の対策を行ってください。
 除角、去勢、耳標装着などに用いる器具を1頭ごとに消毒して使用することや、牛舎の清掃や駆虫剤、忌避剤を用いた吸血昆虫対策などです。また、初乳を加温(56度、30分)や凍結処理して与えてください。
 以上のことを心がけ、感染拡大を少しでも抑えることが重要です。
(農業共済新聞千葉版 2012年10月4号に掲載)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会