NO.79 下痢症が多いときには「クリプトスポリジウム」の検査を
 夏に向けて、次第に分娩が多くなり、哺乳子牛も増えてきますが、出生後の子牛には様々な細菌やウイルスの感染の危険があります。

 子牛の下痢症の原因のひとつに、「クリプトスポリジウム(クリプト)」という寄生虫があります。

 生まれて4〜5日目から黄色の水っぽい下痢便をし、口や耳が冷たくなり、起立ができないくらい重症化する子牛の場合、細菌・ウイルスの感染と共にクリプトスポリジウムの感染が考えられます。
 クリプトを調べるには糞便の検査が必要です。畜産農家で飼われている子牛で、クリプトが感染している割合が2〜6割との報告もあります。

 クリプトに感染してしまった場合、残念ながら効果的な治療薬はなく、子牛自身の免疫力で治っていくのを待つしかありません。その間に、子牛が衰弱しないよう、牛床を清潔にし、寒くならないようにジャケット着用などの保温を行い、また、脱水を補うために電解質の経口補液剤を給与しなければなりません。吸う力がなくなるくらい衰弱してしまった子牛には点滴の治療が必要となります。

 治療薬がないことから予防が重要となりますが、塩素系の消毒薬では効果が弱いため、子牛の飼養場所全体を石灰乳で消毒することが重要です。また、子牛自身の免疫力で治さなければならないので、出生後に十分な初乳を給与し、免疫力を高めなければなりません。

 クリプトは、人獣共通感染症であり、人にも感染し下痢を起こすことが知られています。畜産農家と一般の人での感染に関する調査結果では畜産農家で多く感染がみられたそうです。子牛が下痢をした際には、作業のあとの手洗い消毒を忘れないでください。
(農業共済新聞千葉版)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会