NO.86 「骨折かな?」と思ったら、応急処置を

 「お産で子牛の肢を骨折させてしまったようだ」との診療依頼が、年に数回診療所に入ります。これを読んでいる人の中にも難産の最中、「ボキッ!」という音に青ざめた経験のある人もいるのではないでしょうか。すぐに獣医師が来て処置できればよいのですが、深夜のお産や、昼間でも獣医師の到着まで時間がかかる場合があります。そのようなときは応急処置として、すぐに子牛を安静にし、骨折部位の固定をしてください。

 骨折は放置することで、折れた場所の周りの筋肉や血管を痛めて治りが悪くなります。また、暴れて皮膚から骨が飛び出してしまうと治療が困難になるため、早めの応急処置が必要です。

 固定方法は、身の回りにあるものでできます。

 雑誌を折り曲げて骨折した肢に巻きつけガムテープで固定する方法、薄めの細長い2〜3枚の板を布やバンテージを巻いた肢にガムテープで固定する方法があります。他にも、添え木として直径7〜10aの塩ビパイプを縦割したものを使用することもできます。ここであげた方法以外でも骨折した肢が動かなければ、どのような方法でも構いません。

 牛はその穏やかな性格や行動の特性から、骨折した場合に治癒しやすいと言われます。子牛は体重が軽く固定が容易なこと、骨の成長が早く多少の変形は成長とともに矯正されることなどから回復が良好なため、諦めずに早めの治療を心がけましょう。

また、子牛が骨折するような介助方法は母牛にも大きな負担が掛かっている場合があります。日頃から、子宮に手を入れて子牛の向きを早めに確認して、無理に引っ張らないこと、産科チェーンや助産器などを正しく使用することが大切です。
(農業共済新聞千葉版)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会