NO.87 子牛の免疫機能、抗体獲得のお話。

 人の赤ちゃんと子牛では、細菌やウイルスから体を守ってくれる抗体の獲得に違いがあります。
 人は妊娠すると、お母さんの持つ抗体が胎盤を通って赤ちゃんに与えられます。しかし牛の胎盤は、抗体を通すことができないので、子牛は、初乳を飲むことで初めて抗体を得ることができます。言い換えれば、初乳を飲んでいない子牛は病気に対し無防備なのです。しかも、子牛は生まれてから約1日半で、抗体を吸収する力がなくなってしまい、抗体がうまく取り込めない子牛の死亡率は、2倍以上にもなると言われています。
 ですから、子牛に早く沢山、初乳を与えることが重要となります。
 具体的には、4時間以内に初乳を4g哺乳すれば、十分に抗体を与えられます。

 さらに、抗体の吸収を高めるポイントがいくつかあります。

@ 母牛が子牛を舐めると、舐められる刺激と濡れた毛が乾燥することで子牛の体温が上がり、さらに吸収率が上がります。
  人が、哺乳する場合は、タオルで拭きながらマッサージしてあげて下さい。

A 初乳中の細菌が抗体と結合して吸収を妨げます。低温殺菌(60℃、30分以上)をすることをお勧めします。冷凍初乳を与える場合、抗体は熱に弱いので60℃以上にならないように、溶かす温度に気をつけて下さい。

B ゆっくり哺乳することで、胃の中にうまく入って分解され、抗体の吸収をより高めます。
以上のようなことを注意することで、子牛は十分な抗体を獲得し、病気に強くなります。
 寒い日が続きますが、子牛には13~25℃が快適な温度とされ、これは千葉県の5月以降の暖かさです。まだまだ、寒さ対策も油断しないで下さいね。
(農業共済新聞千葉版)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会