NO.88 牛の寄生虫対策
 ようやく暖かくなってきた今日この頃、春の花が咲き、冬を越えた虫たちが動き始める季節です。

 実は牛の体の中に住む寄生虫も、春の訪れとともに活発に産卵するようになります。体内の寄生虫は、主に胃や腸に寄生している線虫という虫のことで、放牧、舎飼いを問わず多くの牛の消化管内に感染しています。線虫がいると胃腸の機能が低下して生産性を低下させる大きな原因となるのですが、はっきりとした症状が出にくいために、積極的な対策がとられていないことが多いのが現状です。

 寄生虫は牛の体の外部にもいます。外部寄生虫には、疥癬(かいせん)ダニ、シラミや、マダニなどが含まれ、痒みなどのストレスや皮膚病を引き起こしたり、伝染病を媒介したりします。

 寄生虫の対策としては、駆虫剤のイベルメクチンが内部寄生虫、外部寄生虫ともに有効です。イベルメクチン製剤は背中にかけるポアオンタイプが主流で、子牛から成牛まで、定期的に使用することでかなりの効果が期待できます。

 例えば、子牛の発育不良や下痢症、呼吸器病の多発などが改善された、肥育牛で増体、肥育成績が向上した、乳牛で分娩前に駆虫することで繁殖成績や乳量、乳質の改善がみられた、などといった報告があります。

 最近ではイベルメクチンと同じ系統のエプリノメクチン製剤が販売されていますが、こちらは牛乳の出荷制限が無く、搾乳牛にも使用できます。

 また、外部寄生虫にのみ有効ですが、耳に取り付けるイヤータグ型の殺虫剤(ペルメトリン)もあります。こちらはブユやサシバエなどの忌避剤としても効果的です。

 夏から秋にかけては、サシバエやマダニなどの発生も多くなってきます。これからの季節、寄生虫対策を見直してみてはいかがでしょうか。
(農業共済新聞千葉版)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会