NO.91 人口呼吸器を使った出生子牛の蘇生
 夏に向けて、乳牛の分娩頭数は全体的に増える傾向にあります。肉用子牛のスモール市場価格は例年よりも高値で推移しており、またホルスタイン雌子牛は後継牛として大切であるため、生まれた子牛を1頭でも多く助けることが経営上重要です。そこで、仮死状態で生まれた子牛に対する、人工呼吸器を用いた蘇生方法について説明します。

 仮死状態とは、出生後の子牛が、心臓は動いているが呼吸をしていない状態のことです。お産の時に胎児が尾位の場合や難産の場合など、子牛が羊水を大量に飲み込み、気道がふさがることで呼吸困難になることがあります。このような場合、冷水刺激やマッサージは自力の呼吸を促す効果があります。それでも呼吸が開始されない場合、子牛を逆さ吊りにすることがありますが、この方法ではお腹の中の臓器が胸を圧迫し、かえって呼吸しにくいことがあります。

 逆さ吊りをしなくても、気道につまった羊水を吸引するために市販の子牛用人工呼吸器を用いる方法があります。仮死状態の子牛の口にマスクをあて、4〜5回ポンプを引き、陰圧にすることで羊水を吸引します。羊水が排出された後、呼吸が始まらない場合は、ポンプの逆側から人工呼吸をすることができます。人工呼吸は、子牛の気道を確保し、5〜10秒間隔で肺に空気を送り込んであげてください。自発呼吸をできるようになったらしばらく観察します。

 子牛が呼吸をしていない仮死状態のときは、救急の蘇生が大切です。獣医師を待っているのでは遅く、即座に対処しなければなりません。お産が始まったら人工呼吸器などを事前に準備し、生まれてくる子牛の命が助かるようにがんばりましょう。
(農業共済新聞千葉版)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会