NO.94 子牛の病気を減らすために
 子牛には病原体への免疫力を付けるために、初乳を飲ませる必要があります。
 牛の免疫システムは、生まれながらに持っている自然免疫と、生後に得る獲得免疫の2つに大別できます。
 自然免疫は、進化の過程で動物が身に付ける「広く浅く」効くものですが、生まれたての子牛が牛舎に蔓延している病原体に対抗するには、準備不足です。
 獲得免疫は、特定の病原体を狙って打ち倒す「抗体」という強力な武器を作りますが、抗体を作るには病原体を一度体内に取り込み、その弱点に合わせた武器の設計図作りから始めなければなりません。その完成には2週間程かかり、生まれたての子牛は、自分で強力な免疫物質を作り出すまでの間、無防備な状態ということになります。
 その期間を補ってくれるのが初乳です。さまざまな病気を経験してきた母牛の初乳には、多くの病原体に対する抗体が含まれています。また、初乳に含まれる抗体には、病原体と「血液の中で戦うIgG」と、「胃腸の中で戦うIgA」があります。
 子牛がIgGを血液に取り込める時間の猶予は、生後24時間以内と言われていますが、胃腸の中なら時間は関係ありません。余った初乳は捨てず、次の哺乳で使うのも、病気の予防に期待できます。
 新生子牛の防御体制を整えるべく、出生前から牛舎を清掃・消毒し、初乳を早めに飲ませます。そうして、血液に病原体が入り込む前に叩けるのであれば、子牛の負担も軽くなるはずです。
(農業共済新聞千葉版)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会