NO.97 稲ホールクロップサイレージ、上手に利用しよう。
 近年、国産で安価な粗飼料、水田の有効活用などの面から、稲ホールクロップサイレージ(稲WCS)が牛の飼料として注目されています。稲WCSはビニールラップで密封して作られ1梱包あたり300`前後のものが多く利用されています。国の奨励策で稲WCS生産農家も増え、管内でも大型牧場を中心に利用が増えています。
 メリットの多い稲WCSですが、利用するには少し注意が必要です。一口に稲WCSと言っても品種や刈取り時期によって栄養成分が異なります。実つきが良い穂重型品種(飼料米用品種や主食用品種)と実つきの少ない牧草的な茎葉型品種(WCS専用品種)では全く性質が違います。
 注意点としては、ビニールラップにより1梱包ごとに発酵させるので、発酵品質にばらつきがあったり、ラップに穴が開いたり土壌が混入したりするとカビが発生してしまうことがあります。開封の都度丁寧に確認作業を行い、変敗した飼料は給与しない注意が必要です。
 また泌乳牛は乾物摂取量(1日に食べるえさの量)が多く、消化管内の食物の通過速度が速いため、硬いモミに覆われたコメの消化は苦手です。そのため比較的モミの少ない時期(出穂後2から3週程度)に刈られた穂重型品種や茎葉型品種の稲WCSを中心に給与しましょう。一方、乾乳牛や育成牛、肉用牛は1日に食べるえさの量が少なく、ゆっくり消化されるので比較的遅く刈られた穂重型品種の稲WCSも使用可能です。品種や刈取り時期の不明なものは、モミの硬さや量をよく見て注意して利用しましょう。
 今後も稲WCSの生産・流通は増えていくと思われます。特性を良く理解し、中身を見極めて上手に利用していきましょう。
(農業共済新聞千葉版)
ちばNOSAI連 千葉県農業共済組合連合会