新梢緑枝接ぎによるニホンナシ苗木の育成技術
2026年3月
| 筆者 | 所属 | 果樹研究室 |
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| 職名及び氏名 | 押田正義 | |
| 題名 | 新梢緑枝接ぎによるニホンナシ苗木の育成技術 | |
近年普及が進んでいる樹体ジョイント仕立てなどの単純樹形による密植栽培では、優良な苗木が大量に必要になるため、苗木の安定供給が課題となっている。ニホンナシの苗木は、1~2年かけて育成した台木に、3月下旬~4月上旬に穂木を切り接ぎして育成する。接ぎ木作業がこの一時期に集中し他の作業と競合することが、生産拡大を制限する一因になっている。そこで、生育期に接ぎ木する緑枝接ぎを用いたニホンナシ苗木の育成技術の確立を目指し、試験を行ったので紹介する。
緑枝接ぎは、穂品種の新梢から穂木を調製し、台木の新梢に割り接ぎする接ぎ木法である。活着率が高く新梢生育が良好となる接ぎ木方法を検討した結果、ホクシマメナシまたはニホンヤマナシを12月に播種し、加温ハウスで長さ35cm程度まで育成して4月に圃場に定植し、6月に地上部30cmの位置で「幸水」の穂木を緑枝接ぎすることで、緑枝接ぎから2年後に長さ2m程度の苗木が育成できることが明らかになった。また、この苗木を地上110cmで切り返し、さらに1年間育成することで、主枝候補となる新梢が3~4本発生した苗木を育成できた(写真)。ホクシマメナシ台による苗木育成には慣行法では3年を要すが、今回開発した方法により苗木育成期間が約1年間短縮できる。
今回開発した方法により接ぎ木時期を変更できれば、労力分散が可能になり生産規模の拡大につながると期待される。

写真 緑枝接ぎ3年後の「幸水」苗木

