極大粒落花生新品種「おおまさりネオ」の特性と栽培法

2022年2月

筆者所属千葉県農林総合研究センター 落花生研究室
職名及び氏名研究員 青栁 伸之介
題名極大粒落花生新品種「おおまさりネオ」の特性と栽培法

千葉県はゆで落花生用の極大粒新品種「おおまさりネオ」を育成しました(品種登録出願番号32136号)。現在栽培されているゆで落花生用極大粒品種「おおまさり」は極大粒で強い甘味を持つことから消費者に人気の品種ですが、株が大きくなり収穫しにくい、病害に弱いという課題があり、生産者からは新しい品種の育成が求められていました。ここでは、これらの点を改良した新品種「おおまさりネオ」の特性と栽培方法についてご紹介します。

品種の特長
「おおまさりネオ」は草型が立性で、半立性の「おおまさり」と比べ株が横に平がらず、また最長分枝長も「おおまさり」と比べ短いです。株がコンパクトで莢も株元にまとまっており、収穫時の作業性が良いです。白絹病、茎腐病の発生率は「おおまさり」よりも低く、栽培しやすくなっています。また、収量やゆで豆用とする際の製品率は「おおまさり」と同等です。

栽培方法
草型が立性に改良されたことにより、適切な栽植様式も「おおまさり」と異なります。「おおまさり」は分枝長が長く、現地栽培での株間は他の品種よりも広く50cmで、1条マルチを用いる事例が多く見られます。「おおまさりネオ」は株がコンパクトであるため、株間30~40cm、条間45cmの2条マルチでの栽培が可能です。開花期後20日以降は圃場の乾き具合をみて定期的に潅水して下さい。
ゆで豆用とする場合は調製に時間がかり、また鮮度保持の観点から収穫から出荷までの時間が限られることから、一日に収穫できる量が限られます。収穫時期が分散するよう、時期をずらしながら計画的に播種して下さい。
千葉県のホームページでも栽培資料等を公開しているので、栽培の参考にしていただければ幸いです。

写真 「おおまさりネオ」(左)と「おおまさり」(右)の草姿

【参考】栽培マニュアル等の情報
『落花生新品種「おおまさりネオ」の特徴と栽培方法』(千葉県ホームページ)

『技術指導資料「おおまさりネオ」の栽培方法』(PDF)