12月どりレタスの優良品種の選定

2021年8月

筆者所属農林総合研究センター暖地園芸研究所 野菜・花き研究室
職名及び氏名研究員 小林 由里奈
題名12月どりレタスの優良品種の選定

千葉県のレタスの作付面積は485ha(令和元年)で、全国有数の冬どりレタスの産地です。主に南房総地域の水田において、トンネル栽培が行われています。12月どりレタスは、1~3月どりと比べて生育期間中の気温が高く球の形状が乱れやすいため、形状の良い品種が求められています。そこで、12月どりのトンネル栽培に適するレタスの優良品種を選定することを目的に、千葉県農林総合研究センター暖地園芸研究所(館山市)において、第67回千葉県野菜品種審査会(主催:千葉県、日本種苗協会千葉県支部、(公社)千葉県園芸協会)が開催されました。

各種苗会社から出品された9品種を、令和元年9月12日に128穴セルトレイに播種し、10月7日に本圃に定植しました。10月に襲来した台風や豪雨などにより、葉が折れるなどの風害や湿害を受けた株では生育遅延が見られましたが、11月以降は気温が高く推移したことから、被害の少ない株は良好な生育となりました。

12月18日に、草姿・生育の揃い及び球の形状を審査しました。その結果、1位は「Jブレス」(タキイ種苗(株))、2位は「チアフル」(カネコ種苗(株))、3位は「YLL243」(住化農業資材(株))でした。1位の「Jブレス」は収穫時の球径が大きく、結球重が重くなりました。また、球の乱れも少なく、外観品質も優れました。入賞品種は、既に南房総地域のレタス栽培において導入や試作が行われており、今後の生産拡大につながることが期待されます。

写真:1位に入賞した「Jブレス」(タキイ種苗(株))